書籍
「未来を信じるんだ」
その言葉を残して、莉子の父は会議室を出ていった。
13歳のルミは、ずっと思っていました。
「わたし、お金持ちになる」
でも、どうすれば本当にお金持ちになれるのか。
成功する人と、そうでない人は何が違うのか。
その答えを知りたくて、ルミは友だちの莉子とともに、汐留の高層ビルへ向かいます。
そこにいるのは、莉子の父。
貧しい学生時代から身を起こし、大きな会社をつくり上げた実業家です。
彼の人生は、小さな偶然を次の一歩につなげていく、現代のわらしべ長者のようでした。
神田神保町の古書店街で、偶然手に取った一冊の科学雑誌。
そこに描かれていた、まだ誰も信じていなかった未来。
日本橋川にかかる橋で見た、「宝田橋」という文字。
その瞬間、彼の中に雷のような直感が走ります。
「この未来は、本物だ」
誰に言っても笑われるような話。
けれど彼は、その直感を信じました。
そして、未来に向かって事業を広げていきます。
論理だけではない。
計算だけでもない。
けれど、ただの夢物語でもない。
直感を信じ、未来を見て、動く。
それが莉子の父の生き方でした。
ルミは、その話に圧倒されます。
一方で、ルミの父はまったく違う言葉を持っています。
「今やってることをちゃんとやれ」
派手ではありません。
未来を一気につかむような言葉でもありません。
けれど、足元を見て、一つずつ積み上げていく確かさがあります。
莉子の父は、遠くの未来を見る人。
ルミの父は、今日の一歩を見る人。
どちらか一つを選べばいいのか。
それとも、二つとも必要なのか。
ルミの中で、二人の父の言葉が並び始めます。
第3巻のテーマは、「思考とマインドセット」。
でもこれは、ただ前向きに考えれば夢が叶う、という話ではありません。
どうせ無理だと思ったとき、どうするのか。
失敗したとき、そこで止まるのか。
夢を大きく見ることと、今日できる一つをやること。
その両方を、どう持てばいいのか。
ルミは、すぐには答えを出せません。
AIコーチ・Graceも、正解を教えてはくれません。
Graceが差し出すのは、いつも問いです。
「その言葉は、誰のものですか」
「自分の考えは、どこから来ていますか」
「では、今日できる一つは何でしょう」
問いに導かれながら、ルミは少しずつ考えていきます。
そしてそのそばには、莉子がいます。
裕福な実業家の家に生まれた莉子。
でも、「好きなこと」がまだはっきり分からない莉子。
父のように大きな未来を語ることもできず、自分の行き先を探している莉子。
そんな莉子は、ルミの家のキッチンでパンを焼く時間に、少しずつ惹かれていきます。
ベーグルを焦がす。
ミルクパンをこねる。
温度を確かめる。
失敗しても、もう一度手を動かす。
莉子の手は、少しずつ変わっていきます。
ルミは、その変化をそばで見ています。
第1巻では、まだ隣にいるだけだった二人。
第2巻では、互いの家を行き来するようになりました。
そして第3巻では、二人は同じ問いの前に立ちます。
ルミは、莉子の世界へ踏み込みます。
莉子は、ルミの弱さを見ます。
二人は少しずつ、「友だち」から「一緒に考える相手」へ変わっていきます。
大きな成功を信じる父。
足元をちゃんと見る父。
未来をつかもうとするルミ。
自分の好きなことを探す莉子。
その間で、ルミの「お金持ちになりたい」という願いは、少しずつ形を変え始めます。
本巻では、ルミが第21問から第30問までの問いと出会います。
「どうせ無理」と思ったとき、どう切り替えてる?
自分の考えは、どこから影響を受けていると思う?
誰かの言葉で勇気をもらった経験はある?
失敗したとき、自分をどう励ます?
できない理由より、できる方法を考えている?
目標を立てるとき、大切にしていることは何?
今の自分の考え方、去年とどう違う?
ポジティブに考えるために心がけていることは?
頭でわかっているのに、行動できないことは何?
夢を叶えるために、どんな考えが役立つ?
舞台は、秋の公園、汐留の高層オフィス、神田神保町の記憶、ルミの家のキッチン、夜のリビング。
成功者の奇妙で魅力的な昔話。
父と父の対照的な言葉。
少しずつ深まる少女たちの友情。
そして、AIコーチ・Graceが静かに返す問い。
これは、簡単な成功法則を教える本ではありません。
けれど、成功について考えたくなる物語です。
お金の話から始まった物語は、少しずつ、夢の持ち方へ向かっていきます。
直感を信じて未来へ進むのか。
足元を見て、今日の一歩を積み重ねるのか。
13歳のルミは、その二つの言葉の間で、自分だけの道を探し始めます。
その道の途中で、ルミと莉子の距離も、少しずつ変わっていきます。
子どもにも、大人にも、問いが残る一冊です。
こんな方におすすめです
・「直感型」と「積み上げ型」、子どもにどちらの考え方を伝えるか迷っている方
・前向きな言葉だけでは終わらない、思考力についての物語を探している方
・失敗したときの立ち直り方を、親子で話すきっかけが欲しい方
・1巻・2巻に続けて、ルミと莉子の友情の深まりを読みたい方
■書籍概要
書名:13歳、わたしはお金持ちになると決めた。100の問い 第3巻 思考とマインドセット/著者:小林聡史
出版年月日 2026/6/21 定価 本体500円+税
13歳の少女が「お金持ちになりたい」と言い出した。
第2巻でルミが向き合うのは、「お金」と「価値観」です。
第1巻で、ルミは10の問いと出会いました。
お金持ちになる方法をすぐに教えてくれると思っていたAIコーチ・Graceは、答えの代わりに問いを差し出します。
そして第2巻。
ルミの問いは、少しずつ「お金そのもの」へ近づいていきます。
お金があれば、自由になれるのか。
お金で買えないものは、本当にあるのか。
欲しいものと必要なものは、どう違うのか。
誰かのために使うお金と、自分のために使うお金。
どちらが幸せなのか。
13歳のルミにとって、お金はとても身近で、とても切実なものです。
カフェでメニューを見るとき、先に見るのは飲みたいものではなく、右側の値段。
お小遣いの残りを計算して、自販機のお茶を買うかどうか迷う。
本当は「これがいい」と言いたいのに、「これでいいや」と選んでしまう。
ルミは思います。
「お金があれば、遠慮しなくていい」
けれど、友だちの莉子を見ていると、その考えは少しずつ揺れ始めます。
莉子は裕福な実業家の家庭で育ち、1冊720円のノートを迷わず選びます。
パン作りのために、質のよいバターや小麦粉を買うこともできます。
ルミから見ると、莉子はいつも「選べる側」にいるように見えます。
でも莉子は、ルミの家のキッチンでパンをこねる時間に、少しずつ惹かれていきます。
ルミの母親が焼くパン。
父親ののんびりした言葉。
犬のナナが足もとに寄ってくる午後。
食卓を囲んで、焼きたてのパンを分け合う時間。
パンは買える。
材料も買える。
でも、同じ味にはならないものがある。
ルミはまだ、そのことをうまく言葉にできません。
莉子も、自分が何に惹かれているのか、はっきりとは言いません。
それでも2人は、パンを焼き、カフェに行き、ノートを選び、誕生日のケーキを作りながら、お金について少しずつ考えていきます。
この本の魅力
1.「お金とは何か」を、日常の中から考える物語
本書には、大きな事件や派手な成功法則は出てきません。
描かれるのは、お小遣い、カフェの飲み物、文房具、パンの材料、誕生日のケーキ。
けれど、その一つひとつが、ルミにとっては大切な問いの入口になります。
お金は、ただの数字ではありません。
何を選び、何を我慢し、何を大切にするのか。
その人の価値観が、静かに表れるものとして描かれます。
2.裕福な友だちと普通の家庭の少女、2人の視点が交差する
ルミは、莉子の持っている選択肢に憧れます。
莉子は、ルミの家に流れるゆっくりした時間に惹かれます。
2人は互いに違うものを持ち、違うものを持っていません。
その差を説明するのではなく、パンの匂いや食卓の会話、カフェでの注文、ノートを選ぶ指先を通して描いていきます。
3.親子で話しにくい「お金の価値観」に自然に触れられる
お金の話は、家庭で大切なテーマでありながら、意外と話しにくいものです。
節約しなさい。
無駄遣いしないで。
将来のために貯めなさい。
そうした言葉だけでは、子どもには届かないことがあります。
この物語では、ルミの迷いや莉子の選択を通して、お金について自然に考えるきっかけが生まれます。
4.巻末ワークブック付き
物語を読んで終わりではありません。
巻末には、「Graceと一緒に考える10の問い」を収録。
第2巻で扱われる問いを、読者自身の生活に引き寄せて考えることができます。
読むだけでなく、書きながら、自分のお金の感覚や価値観を見つめ直せる構成です。
こんな方におすすめです
- 中学生に、お金について自然に考えてほしい方
- 親子で読める金融教育の本を探している方
- 節約や投資の前に、「お金の価値観」を考えたい方
- 物語として楽しみながら、自分自身にも問いが残る本を読みたい方
- AI時代に必要な「問う力」「考える力」に関心のある方
第2巻「お金と価値観」で描かれること
本巻では、ルミが第11問から第20問までの問いと出会います。
お金と自由って、どんな関係?
お金で買えないものって、何がある?
お金って、わたしにとってどんな存在?
欲しいものと必要なものの違いは?
お金が十分にあったら、どんな使い方をしたい?
豊かさって、どんな状態のこと?
舞台は、夏休みのキッチン、カフェ、文房具店、帰り道、そして友だちの家。
大きな答えは出ません。
けれど、ルミの問いのノートには、少しずつ言葉が増えていきます。
「選べるのに選ばない」と「選べない」は違う。
「これでいいや」と「これがいい」は違う。
お金があることと、満たされていることは、同じではないのかもしれない。
ルミはまだ、答えを持っていません。
でも、問いは前より深くなっています。
「お金持ちになりたい」
その願いは、第2巻で少しずつ形を変えていきます。
お金を学ぶことは、計算だけでは終わらない。
それは、自分が何を大切にしたいのかを見つめることでもある。
子どもにも、大人にも、静かに問いが残る一冊です。
■書籍概要
書名:13歳、わたしはお金持ちになると決めた。100の問い 第2巻 お金と価値観/著者:小林聡史
出版年月日 2026/5/6 定価 本体100円+税
13歳の少女が「お金持ちになりたい」と言い出した。
でも、この本が描くのは、単なる成功法則ではありません。
ある日、13歳のルミは父親にこう宣言します。
「わたし、お金持ちになる」
その理由は、とても切実で、どこか胸に刺さるものです。
友だちとカフェに行くたび、値段を見て、いちばん安いものを選ぶ。
欲しいものがあっても、少しだけ遠慮する。
そんな小さな我慢を重ねるうちに、ルミは思うのです。
「お金があれば、遠慮しなくていい」
けれど、父親が呼び出したAIコーチ・Graceは、すぐに答えを教えてはくれません。
Graceがルミに差し出したのは、「お金持ちになる方法」ではなく、100の問いでした。
勉強って、何のためにする?
親から教わった大切なことは?
好きな教科とその理由は?
家でお金の話、オープンにできる?
家族で大切にしているルールはある?
ルミは、友だちの莉子、父、母、祖母、そしてAIとの対話を通して、少しずつ自分の言葉を見つけていきます。
この本の魅力
1.「お金持ちになりたい」から始まる、新しい成長物語
本書は、お金を汚いものとも万能なものとも描きません。
13歳の少女が「お金」「家族」「学び」「将来」と向き合いながら、自分の地図を描き始める物語です。
ビジネス書のようでいて小説。小説のようでいて、読み終えると自分にも問いが残る。そんな一冊です。
2.親子で読めるのに、大人の心にも深く刺さる
子どもの進路、勉強、お金の話。
本当は大切なのに、家庭では意外と話しにくいテーマです。
この物語は、それらを説教くさくなく、自然な会話と日常の場面の中で描いていきます。
中学生はもちろん、親世代が読むと、ルミの父や母の言葉に何度も立ち止まりたくなるはずです。
3.“答えを与える本”ではなく、“考える力を育てる本”
この本の中心にあるのは、正解ではなく問いです。
すぐに役立つノウハウを並べるのではなく、問いを通して自分の頭で考える力を育てていく。
AI時代だからこそ大切になる、「問う力」の入口がここにあります。
4.巻末ワークブック付き
物語を読んで終わりではありません。
巻末には、読者自身が考えを書き込める「Graceと一緒に考える10の問い」を収録。
読む本であると同時に、自分の人生に引き寄せて使える本にもなっています。
こんな方におすすめです
- 中学生・高校生に、将来やお金について自然に考えてほしい方
- 親子で読める“深さのある本”を探している方
- 物語として楽しみながら、人生の問いにも触れたい方
- AI時代に必要な「考える力」「問いを立てる力」に関心のある方
- 学び、家族、お金、自己成長というテーマに惹かれる方
第1巻「家庭」で描かれること
本巻では、ルミが最初の10の問いと出会います。
舞台は、夏の帰り道、公園、リビング、図書館、パンの焼けるキッチン。
大きな事件が起こるわけではありません。
けれど、友だちのひと言、父の口ぐせ、母のふるまい、祖母の助言が、ルミの中で静かに積み重なっていきます。
そして読者もまた、気づくはずです。
「お金持ちになる」という願いの奥には、
もっと別の問いが眠っていることに。
「お金持ちになりたい」
そのまっすぐな願いから始まる、100の問いの物語。
答えを急がないからこそ、心に残る。
子どもにも、大人にも、これからの時代に響く一冊です。
■書籍概要
書名:13歳、わたしはお金持ちになると決めた。100の問い 第1巻 家庭/著者:小林聡史
出版年月日 2026/4/20 定価 本体100円+税
定年を控えた主人公が腰痛をきっかけにAI・Graceと出会い、日々の対話を通じて心身と向き合い、新たな生き方を見出す物語。
Graceは身体の痛みを心のサインとして読み解き、呼吸や姿勢などの助言を通じて癒しをもたらす。AIとの交流が主人公に安心感を与え、自分の思いを言葉にする力を育む様子が描かれる。AIが人を癒す可能性を探る一冊であり、心や体に疲れを感じた人に寄り添う温かなドキュメンタリー。
■書籍概要
書名:腰が痛いんですとChatGPTにきいてみた/著者:小林聡史
出版年月日 2025/07/06 ページ数 55ページ/定価 本体300円+税