AI小説のつくり方

AI小説のつくり方

設定を整え、AIに役割を与え、書いたものを確かめる。長編小説の制作で実践している方法を、テーマごとに紹介します。

何を描くかを決め、必要な情報を用意し、AIの提案を読み、採用や修正を判断する。Digital Supporters Clubでは、この工程を繰り返しながら、作品と制作の仕組みを育てています。

小説を書きたい方にも、AIに仕事を任せる仕組みを考えたい方にも、実際の制作過程を手がかりとしてご覧いただけます。

一年間の制作でつくった仕組みは、全8回の連載にまとめました。順を追って読む場合は下の一覧から、関心のあるところから読む場合はテーマ別の入口からご覧ください。

連載「AIと小説をつくる仕組み」全8回

第1回から読むと、設定ファイル、AIの役割分担、評価と改稿の流れが、組み上がった順番でたどれます。

  1. AIに小説を書かせた1年ではなく、「AIが働く環境」をつくった1年 全体の地図。指示を工夫する段階から、情報・環境・反復を設計する段階へ、一年で何が変わったか。
  2. AIに長編小説を書かせ続けるために、設定ファイルを16個に分けた話 何を別々のファイルに分けたか。分けていたのに、確定稿まで残ってしまった矛盾も紹介します。
  3. AIに「この作品は何のためにあるか」を渡す — 設定ファイル01の中身 作品の目的と前提。ここが決まっていないと、ほかのファイルの判断がぶれます。
  4. 文体を「憲法」にする — 自分の文章を分解し、直した理由をルールへ戻す 平均21字、20字以下を半数、40字超は6%以内。数値に分解しても足りなかったものがありました。
  5. 人物をぶらさない仕組み — キャラクターは、何を願っているのか 性格を表す言葉では保てません。書くのは、その人が何を欲しがっているかと、何が見えていないか。
  6. 時系列と確定事実 — 矛盾はここで起きる 日付、小道具の持ち主、数字の出どころ。矛盾の起き方には二種類あり、確かめ方も別です。
  7. AIに小説を書いてもらう手順を設計する — ハーネスと、書き直すループ 四つの観点で評価を分け、指摘をまとめ、次の版へ戻す。読者役のAIには、設定を渡しません。
  8. AIに任せる仕組みを作って、最後に残った時間 — 「文明の夜明け」の先で考えること 仕組みが動くようになると、いちばん時間がかかるのは自分が読むところでした。連載の総括です。

設定ファイルを整える

作品の目的、読者、登場人物、世界観、文体、構成、表記ルール、禁止事項など、AIが執筆するときに参照する情報を整理します。

守るべきルールと、物語が進むにつれて変わる情報を分け、どのファイルを正とするかを決めます。設定同士が食い違ったときの優先順位や、確定した出来事を記録する方法も扱います。

必要な情報を更新し、その時点の登場人物が知っていることと、まだ知らないことを区別する。長い作品でも設定を保つための土台をつくります。

AIが働く環境をつくる

設定ファイルをどこに置き、どのAIに何を参照させ、どのような役割で仕事を任せるかを整理します。

執筆するAI、作品を評価するAI、設定との矛盾を確認するAI。それぞれに必要な情報と指示を用意し、人間が判断する工程につなぎます。

アイデア出し、構成づくり、執筆、改稿など、制作の段階に応じた指示の出し方も扱います。役割分担と情報の渡し方を決め、制作を継続できる環境を整えます。

品質を確認し、改善を繰り返す

生成した本文を読み、評価し、問題を見つけ、修正し、もう一度確認する。作品を仕上げるための工程を紹介します。

読者に伝わるか、会話や情景が機能しているかという評価と、設定の矛盾や事実の誤りを調べる確認を分けて扱います。評価点が高くても、重大な矛盾があれば修正が必要です。

AIの評価も人が確かめ、指摘を採用するか判断します。引用や参考資料の扱いも確認し、最後に人間が承認した本文を確定稿として残します。

見逃しがあったときは、本文だけでなく、指示や確認の方法も見直します。

AIとの対話ログ

AIエージェントと交わした実際のやり取りをもとに、制作中の判断を紹介していきます。

どんな指示を出し、AIがどう応答し、そこから何を選び、何を直したのか。完成した作品だけでは見えない、試行錯誤の過程を記録します。

ログは、作品の未公開設定や展開のネタバレを除き、公開できる範囲を抜粋して掲載します。必要な前提を添え、判断の流れを追える形に整えます。

問い51以降は、二人が事業を立ち上げていく制作に入ります。仮説を立て、試し、結果を見て計画を変えるやり取りが増え、まとまった量の対話が生まれるのはこの段階からです。記事の掲載も、そこから始めます。

実践・事例

生成AIを活用して、実際に作品を形にしてきた事例を紹介します。

設定ファイルの管理、AIの役割分担、執筆・評価・改稿の過程、人間が判断したポイントを、具体的な制作記録からたどります。

うまくいったことと、見逃しや修正が必要だったこと。その両方を示し、ご自身の創作や仕事に応用するための材料として紹介します。